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マイケル・チェーホフ
MICHAEL CHEKHOV TECHNIQUE:PRACTICE
マイケル・チェーホフ・テクニーク〔実践編〕

1.Crossing the Threshold 敷居をまたぐ

 チェーホフのいう、「Crossing the Threshold」エクササイズは、俳優が日常生活から演劇のクリエイティブな世界に入る移行として捉えています。稽古に入るときと、稽古から日常生活に戻る切り替えです。

敷居をまたいで、稽古場に入る前に、日常生活から離れるという心の中のイメージを行いましょう。どんなイメージを使っても構いません。例えばこのようにイメージの中、あなたは行動します。あなたは、不安や関心事を箱の中に入れ、木の下に埋めます。そして一笑するかもしれないし、離れたいと思うかもしれません。いずれにせよ、稽古場を離れるときにはもう一度取り戻すこともできることを知っています。もし、新しい不安や雑念が浮かび上がってきたり、古いものが舞い戻ってきても、稽古中でも同じ事ができます。
日常生活と、イマジネーションの世界の境界線をイメージしましょう。その境界線は、床の線でもいいですし、実際にあるものでなくても、皆が境界線がどこにあるかわかれば構いません。その境界線の先に、あなたにエネルギーを与え、創造性を与える空間があると想像してください。その境界線をまたぐことで、あなたはこれから体験する稽古場に入り、そこでの可能性を感じます。あなたの空間と仲良くなるのです。最初は違和感を感じるかもしれませんが、戻って繰り返します。あなたは観客のために演じるのではない、覚えなければいけない台詞もない、何が正しいというアクションもないのです。そこはあなたのクリエイティブな空間であり、アイディアが生きる場です。準備できるまで境界線をまたぐことを繰り返しましょう。また、創造性や自由さを失ったような感覚になってしまったときにもやってみましょう。

2.Making Contact コミュニケーションをとる

 このエクササイズの目的は、お互いがリラックスして、助け合いの空気を作ったり、自信を深めたりすることです。誰しも、自分自身や相手に、不安や恐れがあるものですから。

手をつないで、輪になって立ちます。一人一人がみんなを見渡せる状態です。これは、みんなに対してオープンな態度になってこそできるものですので、進んでコミュニケーションをとれる心構えでいましょう。誰かに対してネガティブな気持ちがあるのなら、それはどこかに外しておきましょう。あなたをつなぐ輪を意識します。お互いがつながった感覚が出来たら、手を離します。でも、輪と一体感はキープしてください。
輪の中、足下に大きな黄金の輪があると想像してください。そしてみんなは一緒にしゃがんで、同時にこの黄金の輪を持ち上げます。胸の高さで一旦止めてください。それから輪が空に届くように伸ばします。上方いっぱいにまで伸ばして持ち上げたら、こうイメージしてください。黄金の輪は、天井を通り抜けて空の彼方へと消えていきます。腕をゆっくりと下ろします。
床に座ります。
みんなに様々なアクションをさせます。(例えば、三回ジャンプしたり、部屋の四つの壁に素早くタッチしたり、床に座り続けたり、立ったままでいたり、意味のない言葉を叫んだり) 考えることは必要ありません。オープンな気持ちとつながった気持ちを維持して、全体としてどんなアクションをすべきか考えます。それは、走って、叫んで、座って、また走るというものかもしれません。一人一人が次に何が起こるか感じようとします。
一つ一つのアクションのあとに間をおいてみましょう。そうすると次のアクションは、静止から生まれることになります。
一つ一つのアクションに間をおかずやってみましょう。そうすると前のアクションに続いて生まれることになります。
パートナーを見つけて、お互いに向き合いましょう。そして、オープンな気持ちで温かく受け入れ合いましょう。うまくつながった感覚が得られたら、ゆっくりと一緒に動き出します。誰も続かなくていいです。動きは、つながりの感覚から出てくるようにしましょう。お互いに真似をしあわないように。お互いに反応し合うあなたたちの関係から動きは育つのです。
同じエクササイズを、四人のグループで行い、次に六人、そして八人と増やし、最後には全員でやります。
新しいパートナーと、部屋を動きながら、想像のボールを投げ合いましょう。そしてどんなにお互いに離れていてもつながった感覚を持ち続けるのです。そして、全身で感じましょう。そうすると、目で見るだけのつながりを超えます。テンポやリズムを変化させてみましょう。そして止まります。止まっても感覚は維持します。
このエクササイズを行います。但し、パートナーに集中しながら、他のメンバーともつながった感覚を持ちます。全体が止まるときを見つけます。
このエクササイズが終わったら、お互いの間でなにか変わったか確認してみましょう。

3.Confidence 自信

 「自信」という感覚、もしくは「よくやった」という感覚を俳優は持つべきだとチェーホフは考えます。終演後、演技がよかったにせよ、悪かったにせよ、様々な批評が自分の中に沸いて出てきます。絶えずネガティブなことを囁きかけるそれを、チェーホフは「デビル」と呼びました。

「よく出来た」という感覚を持ちながら、なにか物を一方の手からもう一方の手へと投げます。どんどんと「よくやった」という感覚を膨らませていってください。気詰まりに思うことはありません。あなたの性格自体がそうであっても、俳優としては違うのです。
皆で円を作ります。そして、一人一人が順に「敷居をまたいで」中央へと進み出ます。そしてジャグリングを行います。なにをしてもオールオーケーです。間違いなどはありません。観客(周りで見ている人)から向かってくるポジティブなエネルギーを感じてください。グループの一人一人とコンタクトがあるという感覚を持ってください。あなたが観客の場合は、パフォーマンスを受け入れるためにオープンになるよう努めてください。
観客の前で、あなたは好きなだけの数の物をジャグリングします。安心感を感じて行ってください。リスクを冒しましょう。どうなっても構わないのです。常に「いいぞ」という感覚を持ってください。「ミス」もギフトだと思って受け取ってください。それもまた「よくやった」なのです。
あなたが、強くて美しくて気前が良くて、楽しくて開放的な人だとイメージできますか? あなたがクリエイティブでスキルあるパフォーマーだとイメージできますか? どのような感覚でしょう? そのイメージの自分に近付きましょう。最初に全部は無理でも、部分部分での意識からで結構です。
敷居をまたいで中央へ進み出ます。そして、腕を広げ、自分の胸の真ん中を感じながら、こういいます。「ぼくは(わたしは)〜(自分の名前)です。ぼくは(わたしは)俳優です」と。そして、一つ間を置いて、言葉が観客に伝わったことを確認して、元の位置に戻ります。ここでも「よくやった」という感覚を持ってください。
もし、これらのことが難しく、充分に自信を持つことが出来ないようであれば、誰か他の人をイメージして、その人になったつもりで行ってみましょう。
それでもやはり難しいという人は、「ぼくは(わたしは)俳優です」という言葉の代わりに好きなことをいっても構いません。それが「よくやった」という感覚を持てる言葉であるのなら。

4.Concentration 集中

部屋にある何かの物体に目を向けましょう。何でも構いません。その形や色をよく見てください。そして、その物体とあなたとをつなぐエネルギーの流れがあることをイメージしてください。正しくできているかどうかは気にしなくて結構です。そして、あなたはその物体の横に立っており、それをさわることも、もちあげることもできるとイメージしてください。あなたの全身はその物体とつながっているのです。
その物体への注意とつながった感覚を遮断します。違いを意識してください。イメージでつながっているときと、つながっていないときの違いがはっきりわかるまで繰り返します。
このエクササイズを、目をつぶった状態で行ってみましょう。
今度はパートナーと一緒にやってみます。パートナーとの間に、つながったエネルギーの流れがあります。部屋の中を動き、異なる距離でのつながりを探ってみます。時々、つながりを遮断したり、またつながりを意識したりします。
ドラムの音を聞いてください。あなたの周りの空気をどのように充たしているか意識してください。あなたの身体に音が響いてくるのを感じます。ドラムが止まっても、あなたは聞き続けます。
ペアになります。一人が黙った状態で、心の中のメロディーに集中します。もう一人が、大声で歌うことによって、注意をそらそうとします。もちろん、一人ではなく、大勢で邪魔をしても構いません。それだけ邪魔となる要因が増えるということになります。黙って集中できているときと、注意をそらされているときとの違いを感じます。交代してやってみましょう。

5.Significance 全て間があり意味がある

 チェーホフは、「全てのアクションは、芸術の小さな部品である」と教えました。一つのアクションを終え、次のアクションに移るときに間があります。それが僅かであっても。例え、身体が止まっているように見えたとしても、内部のプロセスはあり、次のアクションへと変化していっているのです。

静止した、「間」から、服を着る、もしくは脱ぐというアクションを行います。アクションの途中で、「間」を作ります。この間のあいだに続けるか、やめるか、もしくはスタートに戻るかを選択します。終わりは、間で終わります。
中央に一人置き、半円を描いて並びます。その人は、2つの質問を受けます。最初の質問には「はい」か「いいえ」で、二番目の質問には「行く」か「とどまる」かで答えます。全ての答えは、間から出ます。間のあいだ、質問を受け、決定を下し、そしてまた答えるのです。
周りの人たちに、一言で答えます。とどまるか、行くかの理由になる一言をいうのです。例えば「親父の面倒を見なきゃいけないんだ」といい、それが皆に了承されたと感じたら、「ありがとう」といい、その場を去ってください。間から始まり、言ったあとに間がきて、「ありがとう」といったあとに間があり、ここで去ることを決めるのです。

The Four Brothers 「フォー・ブラザーズ」
・The Feeling of Ease 「安」の感
・The Feeling of Form 「形」の感
・The Feeling of Beauty  「美」の感
・The Feeling of Entirety/The Whole 「全」 の感

6.The Feeling of Ease 「安」の感

あなたの人生で、気持ちが軽く、喜びに溢れ、安心して過ごしていた時を思い出してください。そしてまた、あなたの気持ちが重く、みじめで、イライラしていた時を思い出してみてください。その異なる感覚は、どのように体に影響を与えているでしょう。それでは、気持ちが軽くて安心している感覚を手に入れましょう。これが「安」の感のスターティングポイントです。
両腕を宙に上げます。そして下におろします。鳥が羽ばたくように。気持ちが軽くて安らぎに満ちた感覚が、体の中に注ぎこまれるようにイメージしてください。中心は胸の真ん中です。
徐々に早くして行います。

片膝をつきます。そして「安」の感を持った状態で、立ち上がります。
片膝をつきます。腕を上にあげます。そして立ち上がるときに、腕をおろします。徐々にスピードを早くして、繰り返します。それでも「安」の感を持ち続けなければいけません。
床に寝そべり、立つというアクションを行います。自分が羽になったようなイメージで何度か繰り返してください。
今度は歩いてみます。 もちろん「安」の感の状態でです。中心は胸の真ん中です。徐々にスピードを上げていき、走りになります。できるだけ速くしますが、「安」の感を失ってはいけません。
静止状態になります。動くことなく、「安」の感を持続します。
二人組になり、パートナーと戦います。「安」の感は持続させます。接触は無しで、ボクシングや空手の真似で構いません。出来る限り身が軽い意識です。体が強ばったのに気づいたら、リラックスするように努めます。闘いに意識しすぎて呼吸を忘れないように。

7.The Feeling of Form 「形」の感

静かに立ち、一つの「形」である自身の身体を意識します。最初は外側から感じます。空間の中にある身体の輪郭を感じるのです。そして全体の形として、内部も感じます。ジャッジメントを避け、感じたことはなんでもそのまま受け入れます。
身体の一部を感じます。例えば、首の回り、腕の形、手、上半身、太もも、足首……。それら全てが胸の中心に向けてつながっています。
人間だということを意識してください。あなたは二本足で立っています。それが動物と違う点です。手をつき、四つ足になってみましょう。体重の負荷を均等にしてください。どれだけ動きにくくなったでしょう。
両手に注意を払ってください。そして、2つは連動しているとイメージしてください。これからの動きをできるだけ明確に感じられるように頑張ってください。準備が出来たら、動き始めます。手の動きにできるだけ注意してください。
手を床から離し、直立した姿勢になる動きを最初にイメージしてください。手は、横にきます。イメージした後、実際にやってみます。空間の中の自分と、身体の形を自覚してください。
少なくとも10回繰り返します。徐々に動くことの出来る「形」としての手を感じられるようにしてください。 そして、その動作のプロセスのなか、全身の意識をキープしてください。ここでの一番の焦点は手ですが、全身の意識もキープさせなければいけません。手を全身につながっています。
空間の中に存在するという意識、また自分の身体への意識。そして、動く前にイメージしてから動き、形をより明確に意識するというスタンスで、他の動きにもチャレンジします。例えば、「歩く」「走る」「クロールする」という動作を。いずれも動きの最初から最後までをイメージしておいてください。

8.The Feeling of Beauty 「美」の感

「安」の感をキープしながら、自由に動きます。最初はゆっくりとした単純な動きで。そして身体からわき起こってくる動きの中の快感を感じるようにします。それは非常に微妙であるかもしれませんが、受け入れましょう。どのように自分から放出されているか気づくでしょうか。無理に気づかなくていいです。自分のペースで感じてください。安楽で軽い感覚を伴って、喜びの感覚が出てきます。
少し動きを速くして、もっと複雑な動きで試してみましょう。「美」の感をキープできるようにチャレンジしましょう。
「安」の感や「形」の感で行ったエクササイズを、「美」の感に注意して行います。 スタジオの中、スタジオの外、どこにいてもこの感覚を見つけるようにします。汚い場所でも関係ありません。あえて美しい場所を選ぶ必要はないのです。私たちの周りに対して批判したり無視したりすることをやめれば自ずと「美」の感はわき起こってきます。

9.The Feeling of the Whole / Entirety 「全」の感

スタジオに来る前の一日を、少し時間をとって振り返ってみます。初めから終わりまでのシーンが明確になり、つながりも見えてくるまで何度も振り返ります。次に、たくさんの異なる無関係の出来事もあって、複雑な全体となっていることに気づいてください。
今度は一日の残りをイメージします。未来についてのことですが、過去と同じくらい詳細に明確に。そして、過去と未来をつなげてください。複雑なる全体として一日を一緒にとらえてください。
次にこれと同じ事をあなたの人生で行います。未来に対してはイメージできる所まででいいです。一日の時よりはるかに大きなブロックとして出来事をとらえることになるでしょう。初めから終わりまで、その出来事のつながりを意識しながらイメージします。あなたの人生の目的はなんでしょう。あなたが今目標にしていることは。
パートナーにあなたの話を語ります。そして、今度はパートナーがあなたの話をまるで自分のことのように語ります。どのような違いがあるでしょう。役割を換えて、またやってみます。
昔話やショートストーリーなどを読み、あなたの想像力で再創造します。各エピソードの始まりと終わりを明確にしてください。話をどのように壊し、違うシーンに変えたでしょう。新しいキャラクターが登場したでしょうか。場所が変わったでしょうか。時間が変わったでしょうか。雰囲気が変わったでしょうか。重要な出来事が完了したのはいつでしょうか。これらのつながりは。正しい、間違いというのはありませんので、イメージしたものをそのまま受け入れてください。戯曲でやる場合も同じようにやって下さい。

10.Atmosphere アトモスフィア

 チェーホフは、出演者と観客を結びつけるものとしてアトモスフィア(空気・雰囲気)を重要視しました。これがつくられると、観客を取り込むこともできるのです。

毎日の生活のなかで、あなたの周りのアトモスフィア(空気や雰囲気、取り囲んでいる要素)に注意を向けてください。場所や、日時、天候やイベントによっての違いに気づいてください。人々の集団(大なり小なり)を観察し、彼らを取り囲むアトモスフィアを探ってみてください。それらのアトモスフィアに対するあなたの反応はどうでしょうか?
戯曲や小説を読んでいるとき、舞台を生で観たりTVで観ているとき、また音楽を聴いているときや絵画を観ているとき、それらのアトモスフィアに注意を向けてください。言語やイメージや、色やリズムなどがどのようにアトモスフィアを生み出しているのか探ってください。それらのアトモスフィアに対するあなたの反応はどうでしょうか?
完全に異なるアトモスフィアの舞台作品か映画からシーンを想像します。あなたの想像力で、詳しくイメージします。
外に出て、静かに立ち、音を聞きます。そこでのアトモスフィアを感じてください。
自分なりにアトモスフィアを想像し、そのアトモスフィアに満ちた空間をイメージします。その空気を吸い込んでください。あなたの周りにあります。どんなイメージが沸き上がってくるでしょう? それらを感じてください。アトモスフィアが出来上がると、あなたのアトモスフィアを感じてください。我慢して、アトモスフィアに反応して沸き上がるものを感じます。もしなにも沸き上がってこなければ、無理をする必要はありません。
いったんアトモスフィアをつくりあげることができたら、調和を取りつつ喋ってみてください。アトモスフィアはあなたをサポートしていると感じてください。パートナーと会話をしてみましょう。キャラクターや動機は気にしなくて結構です。アトモスフィアと調和する声と動きのみにフォーカスを当ててください。
2つのグループに分かれます。グループAとグループBにしましょう。グループAは、敷居をまたいでアトモスフィアの空間に入ります。そこは遥か遠い宇宙からの月の光があります。アトモスフィアを満たす空気を想像してください。そして呼吸してください。敷居をまたいで元に帰ります。グループBは、なにも考えずに敷居をまたいでください。アトモスフィアからギフトが与えられます。そのギフトを受け取り、グループ内の誰かに渡してください。アトモスフィアに入る前からギフトが何であるのかや誰に渡すかを考えてはいけません。グループの全員がこのタスクを終えたら、その空間から出ていきます。

11.Moulding モールディング

Mouldとは、形作ることです。まるで粘土のように、あなたの周りの空気を形作ってみましょう。最初は両手で、それから徐々に全身を使って。動きを大きく、大胆にしていきます。一つ一つの動きが、空気中に跡を残すようなイメージをもってください。スピードや強さを変化させます。しかし、安の感を持続しています。
止まるとき、あなたの内部の感覚に注意を払ってください。あなたの身体はどのような感じでしょうか。
パートナーと行います。二人で、全身を使って、形作ってください。スタッカート(早くて急な動き)とレガート(ゆっくりで流れる動き)を利用して、変化をつけてください。
少し距離を置いて、パートナーと行います。一方がスタッカートの時、もう一方はレガートで。交代する瞬間は、お互いにコンタクトを取ってください。

12.Flowing フローイング

水のように流れます。一つ一つの動きが明確であり、切れ目ない水のように次につながります。優雅でなめらかです。
波が打ち寄せては引く、このリズムを感じてみましょう。止まったら、内部の変化を感じてみます。
グループで波を表現してみます。とても気持ちがいいでしょう。

13.Flying フライング

全身が軽く、風が吹いただけで浮き上がってしまうような感覚を持ちましょう。風になったように、ひとつひとつの動きを繋げて、流れを作ります。止まったら、内部の感覚の変化に注意を向けてみます。
グループで風を表現してみます。一人をリーダーにし、リーダーに合わせて、大きな風を作ってみます。

14.Radiating レイディエイティング

ひとつひとつの動きが、強力なエネルギーを持っています。全身から空気中へ、エネルギーが放射されているような感じです。まるでオーラを放っているかのように、まるで漫画の世界の主人公になったかのように。止まったら、内部の変化を感じてみましょう

15.Imaginary Bodies イマジナリー・ボディー

なにか想像でボディーを考えます。原型のリストからでもいいし、映画や小説からでも、全くの想像で生み出した人物でも構いません。絵に描いてみてもいいでしょう。
想像で、できるだけはっきりとボディーを視覚化してみます。その姿に質問をして、詳細を埋めていきましょう。(例:手を見せてくれ。恋人と会っているときどんな感じか見せてくれ など)
ボディーの輪郭やセンターを見つけてみます。センターを見つけるのが難しいのであれば、ランダムで選んでみます。
自分の横にボディーが立っていると想像します。そして、ボディーの中に入ります。イメージの人物に、乗り移るような感じです。そうしたら、今度は身体の一部から動かしてみましょう。
そのキャラクターとして動いてみましょう。声や話し方も、そのキャラクターとして喋ってみます。「安」の感を忘れないように。
30分間で5つの異なるキャラクターを創ってみましょう。

マイケル・チェーホフは、稽古場での雰囲気として、「温かさ」「親密さ」「自由さ」を求めています。また、「楽しい」ものであることも認識しています。

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