別役慎司のアクティングスクールは
WIAS

 

シアターゲームティーチャーやインプロティーチャーになるための養成講座もあります。

一般社団法人日本グローバル演劇教育協会(GLODEA)

待望のインプロヴァイゼイション集が出版されました! ここには収録されていないインプロが多数あります。

 

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インプロヴァイゼイション Improvisations
*無断転載・複製を禁じます。
(01)通りでバッタリ
A:信じられない。10年ぶりぐらいだろうか。Bがこれまで何をしていたのか聞きたい。
B:誰だろう。Aは自分のことを知っているようだが。思い出すまでは、知っているように振る舞って相手に合わせよう。

会話 表と裏
表面上の会話と裏面の心情の違いが、外から見てわざとらしくないようにわかればgood。相手を見たときの反応の違いも着目してみよう。
どうすればわざとらしくなく、自然にリアルに演技ができるのだろう? わざとらしくなるときは、何が原因にあるのだろう?
Aは陽気で自己中心的な性格。昔Bをいじめていたが、今は覚えていない。Bは真面目で内向的な性格。Aに対する恐怖心がリアルに残っている。

(02)悪質なキャッチセールス
A:カモを見つけた。こいつに60万円の英会話講座に入会させたい。
B:私服警官。悪質な詐欺商法ならば取り締まらなくてはならない。

会話 説得 表と裏
Aはキャッチセールスというキャラクターから、巧妙な説得術を期待したい。うまく機転を利かせて言葉巧みに説得できるか。Bは、相手と冷静に対話しながら、いつ警官だということを知らせるかがポイント。クライマックスまでどういう風に展開するかも注目。
職業柄をうまく出すための役作りに大切なことはなんだろう?
なにを勧誘するのか、自由に発想してみよう。

(03)バーゲン
A:ほしいものをBと同時につかんだ。自分がほしい。
B:ほしいものをAと同時につかんだ。自分がほしい。

主張 攻撃性 興奮
相手は敵だというくらいの攻撃的なテンションで行ってほしい。自分が手に入れるために、いったいどういう手段を取るのか、どんな理由をつけるのかが見物。
テンションを高める、感情の爆破スイッチを入れることの難しさを考えてみよう。
グループワークとして、多人数でバーゲン会場を再現してみよう。荒れれば荒れるほどgood。誰がたくさんの戦利品を勝ち取るか。
(04)図書館
A:勉強室で、ウォークマンを聴きながら勉強している。ヘッドフォンなので、マナー違反はしていない。
B:Aの聴いている音楽が漏れてきて、勉強に集中できない。注意したい。ボリュームをもっと下げるか、使用しないでほしい。

ノン・ヴァーバル・コミュニケーション イライラ 主張
対照的な二人が、自らの正当性を主張する。どう相手に自分の意志を伝えようとするのか。Bがクレームをつけるまでも注目。
注意したり文句をいったり、自分の気持ちをストレートに見ず知らずの人に伝えるのは苦手ではないだろうか? 芝居では、自分とは全く違う性格や国民性を持った人物を演じなければならないことがある。
Aは不良っぽいタイプ。文句を付けられて最終的にはBを外に連れ出す。Bは、非常に真面目で礼儀正しいが、格闘技に長けている。
(05)お礼
若者:困っているお年寄りに気づく。お年寄りの荷物を持って階段を昇ってあげる。当然のことをしたまでなので、お金は受け取れない。
老人:若い人が、進んで助けてくれた。感謝すると共に感動した。どうしてもお礼として、お金を受け取ってほしい。

主張 礼儀
若者と老人では、姿勢や仕草や言葉遣い等が全く異なる。結局どちらがどのように折れるのかも見物。
悪意からの主張と善意からの主張ではかなり違いが出る。どのような違いがあるだろうか?
若者には、最近死んだおじいちゃん(おばあちゃん)がいて、老人には、若者とそっくりな孫がいる。
(06)声のでない人
A:喉を痛めて声が出せない。病院に向かっているが、道がわからなくなった。人に聞かなくてはならない。
B:どうやらAは声が出せないのだとわかる。なんとか理解して助けてあげたい。

ノン・ヴァーバル・コミュニケーション 
声を使わずにどうコミュニケーションをとるかが最大のポイント。ジェスチャーやメモを書いたりの自分なりの工夫ができているか。
声を使わないコミュニケーションの難しさを考えてみよう。どれくらい言葉に依存してコミュニケーションをとっているか。声以外の有効な手段とは?
Aは病院に行きたいのではなく、なにをしたいか秘密にしてやってみよう。
(07)耳の聞こえない人
A:美術館に行きたいのだが道がわからなくなった。道を尋ねたい。しかし、 親しい人とは手話で会話しているが、見ず知らずの人なので手話が通用し ない。声を発しても、なかなか通じない。
B:Aがなにか助けを求めているというのがわかる。なんとか理解して助け てあげたい。

ノン・ヴァーバル・コミュニケーション 聴力の欠如
言葉に頼らず、どう相手に意志を伝えるかの工夫が見物。障害者のリアリティーある演技にも気をつけたい。
障害者のように自分には経験のない状況にいる人の演技をするには、どういう役作りが必要だろうか?
Aがなにをしたいのか秘密にしてやってみよう。
(08)目の見えない人
A:盲目である。白い杖を頼りに郵便局まで行こうとしているが、どうやら道を間違えてしまったらしい。親切な人に案内してもらいたい。
B:盲目の人が助けを求めてきた。助けてあげたい。

視力の欠如
目が見えない人の演技が必要になるときがある。視力に頼らないとどういった不都合があるか身をもって体感できているか。
俳優にとっての五感の大切さとは?
実際に目隠しをして街に出てみよう。教室内なら、机や椅子で障害物を作ってみよう。
(09)美容院
美容師:全く新しい髪型にしてあげたい。考案した新ヘアースタイルを早く試したい。
客:髪型はいつも通りでいい。そろえてもらえれば結構。

会話 説得
美容師側は、うまく客を乗せて説得させたい。笑顔や会話の構築の仕方がポイント。
相手をうまく乗せて会話を運ぶいい方法はないだろうか?
客は美容師の申し出を受け、乗り気になる。髪を切りながら、雑談に花が咲く。
(10)賃貸マンション
業者:実際は欠点が多いのだが、いいところをアピールして、うまくマンションを借りさせたい。
客:しっかり見定めて、理想に近い物件を借りたい。

説得 表と裏 マイム イメージの共有
部屋をイメージできているか。業者と客双方でイメージを広げ、クローゼットや壁の厚さをチェックしたりして、周りから見ても部屋がイメージできるように。
どういう動きが本物らしく見えただろう?
客の希望条件と予算にギャップがありすぎる。
(11)分譲マンション
業者:高級マンションを薦めている。大きな買い物なので、褒めちぎってうまく買わせたい。
客:芸能人。高級志向が強いと同時に好みにうるさい。

説得 表と裏 マイム イメージの共有
客のほうが主導権を握り、業者が振り回されると面白い。駆け引きも大事だが、どれくらい客の好みに近付くか、また業者がどのように客を持ち上げるかも見物。次から次にイメージを生み出し、それをお互いに共有しないと成り立たない。
客はマンションを購入するだろうかしないだろうか結果を予測してみよう。その予測の理由はどういう点からだろう。
客は貧乏で、とても内見しているマンションは購入できないが、少しは名が売れているので見栄を張ってしまう。業者は金持ちだと勘違いして、どんどん高い部屋を薦める。

(12)裁判に向けて
弁護士:裁判で勝っても不利。依頼者に罪を認め、刑を少しでも軽くさせるよう説得したい。
被告:自分は無実だという主張を変えない。

説得 緊張
犯罪ということで、緊迫感とリアリティーが表現されているだろうか。
頑として意見を変えない人物に説得しようとすることは難しい。そんなとき、どういった心理状態になるだろうか?
数日後、被告は弁護士をある程度信用するようになり、耳を貸し始めたと想定してやってみよう。

(13)素人撮影会
モデル:いやらしい角度から撮ったり、セクハラじみたこのカメラマンが気にくわない。撮られるのが嫌でたまらない。
カメラマン:金を払っているのだから、モデルにはもっとサービスしてもらいたい。指示通りにポーズをとってほしい。

忍耐 イライラ
モデルとカメラマンの気持ちが外から見ても読み取れるように。
相手の気持ちが、態度からどのくらい自分に伝わってきただろうか?
カメラマンを複数にしてやってみよう。
(14)プロの撮影会
モデル:雑誌に載る写真撮影なので、乗り気。プロのカメラマンに撮ってもらえて快感。
カメラマン:どんどん誉めて、いい表情・ポーズをフレームに収めたい。

ノリ テンション
カメラマンが声をかけるごとにモデルの気持ちも乗っていけるか。
プロのカメラマンが撮影している光景をTVなどでみたことがあるはず。実際に演じるとき、イメージ通りに再現できるものだろうか? イメージと自分がやった演技のギャップは?
カメラマンの要求するポーズを(13)と同じにする。
(15)訪問者
男:車が壊れてしまったので、電話を貸してもらいたい。
家の主人:この男が信用できない。強盗かもしれない。危険だ。

緊張 会話
男のほうは、非常事態なので助けがほしい。しかし、主人のほうは疑って警戒心を強めている。この関係性が見えてくるか。
現在では携帯電話を持っているし、他人の家にこのような理由で迷惑をかけるということも滅多にしないだろう。自分たちにとって非常識でも、芝居の中では常識のことがたくさんある。どう正当性を見つけだし、納得して演技をするか考えてみよう。
アメリカの延々と続くハイウェイ。助けを求めるには、この家しかないと状況を具体的にしてみよう。
訪問者を男女のカップルにしたり、家の主人を夫婦にしたり、複数にして行ってみる。
(16)旅行
A:速くて便利な飛行機を使いたい。
B:経済的で、ゆっくり景色も楽しめる電車を使いたい。

説得 主張
単にディベートするのではなく、旅行に行くという状況も意識しなければならない。何の目的で、どこへ行こうとしているのか。二人の関係は?これらの設定を相談できているか。
移動時間や費用、機内(車内)サービスなど、具体的なメリット・デメリットが選択を左右させる。どの程度効果的な具体性のあるメリットを出すことが出来たか、振り返ってみよう。
友人同士、夫婦など、二人の関係を変えてやってみよう。

(17)手紙
A:彼氏(or彼女)が内緒で他の男(or女)と会っていたことを非難する手紙を投函したが、後になって誤解だとわかる。手紙を取り戻したい。
郵便局員:宛先以外の人物に渡すことは禁じられているので、手紙を渡すわけにはいかない。

説得 主張
Aの気持ちはわかるが、郵便局員は職責を負っている。冷静に断るのか、葛藤があるのか。それによってAの態度も変わる。
職業と感情表現はどのように関係があるだろうか?
Aがポストに手を突っ込んでいるときに郵便局員が現れるという設定でやってみよう。

(18)募金
ボランティア:孤児のための、募金を募っている。孤児院を訪問したばかりで、今日はたくさん集めたい。
通行人:募金してあげたいが、疑い深い人間なので、募金の使い道や、他にどこから支援されているのかなど詳細に聞かないと金は出せない。

説得 会話
説得する際に、具体的な孤児院の環境や生活ぶりをイメージできていれば、話を続けることが出来る。何度も言葉に窮していては、通行人は去ってしまうだろう。
劇作家がたくさんの取材を通して書いた作品であれば、演出も俳優もある程度の取材が必要になってくるだろう。取材の必要性を、話し合ってみよう。
ボランティアは、自分がかつて孤児であったとする。
企業の社長に募金をお願いできる機会を得る。2対1で直談判する。
(19)迷子
母親:子供が迷子になった。今頃、おびえて泣いているかもしれない。誰かに誘拐されたという可能性だってある。一刻も早く、見つかってほしい。
迷子センター職員:母親をとにかくなだめて安心させたい。

パニック 焦り 説得
母親役は感情を表に出すことが大事だが、顔だけで演技しようとせず、むしろ細かい動きに注意する。わざとらしい演技はダメ。職員は、母親が取り乱していても落ち着いた対応を。
劇中に登場しない人物に愛情を注いでいる役柄の場合、気持ちをつくるのに大事なことはなんだろうか。
父親役をつくり、職員の代わりに母親をなだめて安心させる。
(20)サプライズ・パースデイ
A:公園の茂みの奥に、友人たちがシートを敷き、ケーキなどを用意して待機している。そこにBをあくまで気づかれずに連れて行きたい。
B:公園の怪しい方向に入っていこうとするAに、気持ちの悪さを感じる。公園から立ち去りたい。

表と裏 説得
AのBに対する態度は自然でなくてはならないが、コメディーとこれを捉えるならば、不自然さが見えたときに笑いになる。
「コメディー」とは、なんだろうか? どういう特徴があるだろう。
公園ではなく、Aは自分の家に招待しようとしていると設定する。
友人たちが一斉にクラッカーを鳴らして飛び出してくるという所までやってみよう。
(21)電車1
A:電車に飛び乗るが、目的の駅で停車するかわからない。Bに聞いて、「停まると思う」といわれたので、そのまま乗っていたら、目的の駅を通過していった。遅刻は確実。その怒りをBにぶつけたい。
B:勘違いで停まらなかったのはすまないと思うが、停まると確信をもっていったわけじゃないし、そもそも自分で確認してから乗らないのが悪い。だから文句は筋違いだ。

主張 焦り
言い合いになる前の段階の演技をしっかりとやりたい。電車内では周りの迷惑になるので、他の乗客にも焦点がいき、声は押さえ気味になるだろう。
日常生活のマイムは身近にあるものを利用すると身体が覚えやすい。例えば、つり革を握っているマイムをし、その後実際につり革を握って感覚をチェックしてみる。その後にまたマイムをしたらどう変わっただろう?
ケンカを仲裁する役柄として第三者を登場させてやってみる。
(22)電車2
A:混んできた車内。何とか座れるスペースに入るが、隣はまったく詰めず、しかも鞄を横に置いている。注意したい。
B:無理に入ってきたAが悪い。鞄を横に置いていても、寝かして席を取っているわけではない。太っている人はもっと面積を取っている、やせているんだから鞄分席を占めても構わないと主張する。

主張 不快
大声でなく、周りを気にしながらも怒りをぶつけることで、電車内のリアリティーが出る。
自分にとって「怒り」を感じるときとは、どういうときだろうか? 日常の体験から思い出してみよう。
携帯電話の使用を注意すると設定してやってみよう。
(23)刑務所
A:脱獄したい。囚人Bに、脱獄に協力してくれるよう頼む。
B:脱獄計画は可能性あると思うが、関与したくない。数ヶ月後には保釈されるからだ。今面倒なことは避けたい。

説得
囚人という設定をうまく演じることも大事だが、この計画が意味する事の重大さが表れるように。
自分の性格と異なる役柄を演じるときに、有効なヒントはないだろうか?
Aを凶悪犯罪者にする。最初言葉で説得するが、徐々に力で訴えるように暴力的になっていく。
(24)修理代
A:街の電器屋さんに、DVDデッキを修理に出したが、請求書が高すぎる。安いものなら新品が買えるくらいだ。
B:電器屋。修理に2万円かかったのは当然の額。修理をお願いされたから、修理をしたまで。

主張
DVDデッキは手元にないと思うので、マイムでやることになるが、店内も含めよくイメージして演じること。二人の主張が妥協点を見出すというのは難しいかもしれない。
優しい態度をとる人と、怒りで攻撃的な人とでは、どちらが早く問題が解決されるだろうか?
電器屋は必要ない部品交換を行い、多額の修理代を請求。Aは実は、そういった悪徳な業者を調査しており、わざと部品を一つ破損させて修理に持っていった。既に協力してくれた電気店から修理代は3000円程度で済むといわれている。
(25)天文学者の発見
A:昨夜、新しい彗星を発見したと興奮している。
B:望遠鏡のレンズについた、ほこりかなにかだと主張する。

会話 主張
相手の意見を聞きながら「その通りかなぁ」と思うかたわら、「いや、違う」という認められない気持ちがよく見えるか。
このコンフリクトは、AとBの地位の高さの違いによって、会話は異なる。二人の関係性によって、どういう違いが見られたか?
A=若手 B=ベテラン、A=ベテラン B=若手、AB=ライバルというように関係を変えてやってみる。
(26)キャンプ
A:なにか物音に気づく。もしかしたら、熊や狼かもしれない。すぐに逃げるようにいう。
B:なにも聞こえていない。恐がりだから、幻聴が聞こえるんだという。それより明日の計画を決めたい。

主張 説得
AとBでは、その場の緊張や表情の堅さに明確な違いがあるはず。仕草や表情に着目して見てみよう。また、外のイメージができているかも大切。
嘘つきな人や、いい加減な人がAをやるのと、嘘をつかない真面目な人がAをやるのとでは展開が変わる。どういう違いが見て取れるだろうか。
グループでやってみよう。Aのように、物音が聞こえた人物を一人にした場合と、二人にした場合で比較してみる。
C:疲れているので早く眠りたい。 を追加する。
(27)占い
A:どんなことをいわれるのか興味がある。現在の悩みや、将来への展望など、特に聞きたいこともある。
B:ひどく悪い暗示がある(短命・事業の失敗など)。いうべきかいわざるべきか、またいうのならどういうべきか悩む。

表情 表と裏
占いは手相でも、姓名判断でも、タロットでも自由に設定していい。オリジナルの占いを創り出してもいいだろう。占ってほしい内容に関しても自由に設定してやってみよう。裏のためらいが表の表情にうまく現れるか。
「現代人のマスク」とは? 人は他人の前で、コミュニケーションを潤滑にさせるためにマスクをかぶっている。本音を隠して、表面上を繕っていることが多い。
Aの友達、Cを加えてやってみる。ただしCは、いいことしかいわれない。
(28)リフォーム
A:部屋のリフォームを理想的に仕上げるためには、少なくとも100万円は必要。なんとか説得して、その金を出させ、自分のリフォームアイディアを形にしたい。
B:せいぜい50万が限度。全体的にきれいになればいいので、そんなに手の込んだリフォームは正直考えていない。

主張 説得 イメージの共有
部屋をイメージしながら、それがいかにひどいか(現状)、素晴らしいか(リフォームアイディア)がわかるように。
お互いがイメージを共有する(同じ光景をイメージする)ことの難しさについて語ってみよう。
規模を大きく、家全体のリフォームにしてみよう。Bの家族を登場させ、一家の論争にさせる。

(29)似顔絵
客:似顔絵が自分と全く似ていない。だから金を返してもらいたい。
絵描き:完璧に似ることはありえない。特徴を捉えているだけ。「似ていない場合返金します」と断りごとを書いているわけではないので、納得してもらわないと困る。

主張 不満 イメージの共有
似顔絵を描いているときも、会話で埋めよう。会話が和やかであれば、絵を見たあととの落差が大きくなる。
「イメージの共有」について話し合ってみよう。客と絵描きは、特に打ち合わせしていなければ異なる似顔絵をイメージしている。それでも二人の言い合いの中でイメージが共有されるかもしれない。
実際に似顔絵を描いてみよう。より面白いインプロになるはずだ。もしうまく描けていれば、客は満足して金を払っても構わない。

(30)カットモデル
美容師:新人。とても緊張している。問題なく、イメージ通りにカットを完了させたい。
客:ヘアスタイルに対して厳しい。いつもトップスタイリストにカットしてもらっているが、その人からの頼みで、カットモデルを引き受けた。

緊張 イメージの共有
緊張感を自然に表せているか。演技で表そうとすると、大げさにしてしまう人がいる。また、どのように髪が変わっていくか、ある程度イメージを共有することができるか。
新人らしさが見えた点を挙げてみよう。
新人美容師の後ろで、先輩美容師がチェックしているという設定でやってみよう。
(31)保険の勧誘
A:保険への加入は必要だと思うが、一ヶ月に3000円程度のものにしたい。
勧誘員:絶対に月5000円以上の保険に入らせたい。

説得 礼儀 思案
Aの心を動かすアピールができるかどうかだが、それは言葉だけでなく態度も重要。
言葉が有効だった場合と、態度が有効だった場合があるはず。それを思い出して振り返ってみよう。
保険の資料を取り寄せて、実際に保険料や保障枠が目に見える状況でやってみよう。
(32)個人年金
A:個人年金の相談に銀行を訪れたが、資産を運用していけるか不安。やはりリスクは冒さず、国民年金で我慢したい。
銀行員:国の年金はもう期待できない。多少リスクを冒してでも、資産を運用して、将来に備えることを提案する。

説得 礼儀 思案
メリットをどのように示し、Aの気を引くことができるか。Aに自信を持たせる言葉をかけられたか。
個人年金について情報を集めてみよう。情報が少ないと不安になる。
商品先物業者:原油高や食料高騰が問題になっている。商品に投資することを提案する。ただしハイリスクハイリターン。
(33)ミスコン1
審査員A:顔はまずまずだが、スタイル抜群の3番の女性がふさわしいと思う。
審査員B:スタイルはまずまずだが、顔が抜群の8番の女性がふさわしいと思う。

主張 イメージの共有
お互い推薦する女性のイメージを豊かに持てているか。「いい」「かわいい」とか単純な言葉ではなく、魅力が伝わる表現を使えているか。
どちらの審査員が説得力があったか、見ていた人が判断してみよう。
審査員の数を3人以上でやってみる。審査員Cは、顔・スタイルはまずまずだが、パフォーマンスが抜群だった5番の女性を推薦する。
実際にファッション誌などを使って、それを候補者の写真だと思ってやってみる。
(34)ミスコン2
審査員A:出場している自分の彼女を優勝させたい。推薦してくれたら、裏で金を渡してもいいとBに提案する。
審査員B:審査員を任されている以上、正直に公正でいたい。しかし、ワイロに引かれる。

説得 交渉
罪悪感を感じながらもワイロに引かれる、Bの心の揺れ動きが見えるか。
AとBとで、どちらが相手の目をよく見て喋っているだろう。またどのくらい相手の目を見ている時間に差があり、そこからどういうことがいえるか。
Aは、優勝させたい女性が、自分の彼女だということを一切知らせずに交渉を成功することができるか試してみよう。
(35)戦場
A:帰還命令が出て1時間も経つのに戦場から友人が還ってこない。捜しに行きたい。
B:Aを行かせたくない。危険すぎる。

主張 説得
映画のようなシーン。短いシーンアクティングの中で感情のスイッチを入れることが出来るか。
より臨場感を感じるために、どのようなイメージを付加すればよいだろうか。
Bを上官にして行う。

ペア コンフリクト

主にペアで行いますが、応用では複数でのインプロを提案しているものもあります。

コンフリクトは「葛藤・対立」

お互いの異なる意志・感情・目的がぶつかり合うものです。したがって、感情を表に出し、素早い反応で相手と受け答えをしなければなりません。

*使用されるマーク
」エクササイズで主となるテーマです。
」トレーナーが注意して助言を与えたいポイントです。
」全員で討論したいポイントです。
」応用です。状況設定に新たな情報が加えられています。
イントロダクション

ペア コンフリクト

ペア コントラスト

グループ インプロ

ソロ インプロ
国際的な演技スクール WIAS ウィアス